ラブホバイブルラブホテルエッセイ>ラブホテル建設反対の場


ラブホテル建設反対集合の場

私が以前住んでいた町内でラブホテル建設の計画が持ち上がったことがある。
私の近辺には宅地分譲中の土地がたくさん売れ残っており、その処分に困った不動産屋がそこでラブホテル建設を計画したのだ。私の町内ではなかったが、ラブホテル建設予定地の真向かいには既にラブホテルが1軒営業している。

町内会が開かれ、私も出席した。
ラブホテル反対のための集会であるから、いかに威勢のよいものかと読者の方は思うかもしれない。しかし私が見たのは現実はそうではなかった。
1人、2人の人間がすごい勢いで反対と叫ぶだけで、後の住民は黙ったまま、どちらかというとどうでもいいような感じであったのである。
結局、他に反論するものがいない以上、その1人、2人の言葉が町内会の方針となった。

少し躊躇いがちに区長が「では、この問題に関して反対という立場をとっていくということでよいですね?」と皆に確認を求める。でも、ほとんどの者はなんとなくうなずくだけ。既に、私の町内ではラブホテルが1軒開業していたこともあったのかもしれないが、住民の顔色を見るに、本当は皆、ラブホテル建設なんてどうでもいいのではないかとも考えてしまった。
だが、一旦、ラブホテル建設反対ということが、住民の意志として決まった以上は、きっとこの後は、一致団結して運動が過激になることは容易に想像できることである。ラブホ建設に反対する理由は、突き詰められて問われることなく、反対することだけが目的となり、同じ目標に向かって突き進む一体感が住民グループに醸成されていく。

ちなみに、反対を唱えていたのは、幼い子を持つ親であった。反対の理由については「環境が悪くなる」「環境が悪くなる」の一転張り。きっと、新しく建ったラブホを見て子供に「あれ、何?」と尋ねられることが怖かったのであろう。

ラブホテル反対というのは、きっとその程度のものである。明確な反対の根拠がある訳でもない。いくら隠してもそんな親の心配をあざ笑うかのように子供はすぐに成長し、いずれ親よりも豊富な経験と知識を所持することになる。

又、ラブホテル反対には、それを巧みに利用しようとする輩もうごめいているのが現実だ。
私のところのラブホテルに出入りした不動産屋は、常値日頃はラブホテルの売買の仲介や備品等の斡旋をして商売をしている。ラブホテル業界の有名人とも親交があり、なかなかのやり手である。そんな彼であるが、新しくラブホテルができるとなると、ラブホテル反対同盟代表という肩書きをちらつかせ、ラブホテル反対の先頭に立つ。もちろん、周囲のラブホテルから反対協力金なるものを支援を仰ぐこともある。もちろん、それでもラブホテルは建つ時には建つ。しかし、その時にはそのラブホテルもまた、彼には一目置き、彼との間に深い親交を築くことになる。

ラブホテル建設反対は、期待するほどの効果は得られないばかりか、かような業者がそれを逆手にとって勢力を拡大する温床ともなるのである。


ラブホバイブルへ戻る  戻る