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ラブホテルは今日も満室!

まず最初に、この本は題名だけ見るとラブホの裏舞台を描いた本であるかのような感じもするが、そのようなものでなく、ラブホテル自体の解説本ではないということを予め断っておく必要があるだろう。
この本はあくまでも、今流行の投資の本である。しかも投資一般についての解説本ではなく、あくまでも特定の商品を紹介し、それを売るための本である。
であるから、当然、著者はこの本で紹介されているファンドを販売している企業であるグローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社(GFS)の息のかかったライターである。著者の紹介をみると、「経済誌記者」であり、「株式投資」や「ファンドに強い関心」を持ち、「有望かつ安全な投資対象を探している」と紹介されているが、あくまでもこの本はそうした著者がさまざまなファンドを投資先を研究し、探し当てたファンドを紹介しているといった類いものではなく、本で紹介されている”HOPE”というラブホを対象にしたファンドを紹介し売るために書かれた本である。よってあくまでも公正中立的な内容は期待すべくもないということを頭に入れた上で、読む勧める必要がある。
さて、そこでこの本の内容であるが、この本の趣旨は以下の三つに要約される。
(なお、この本ではラブホテルでなくレジャーホテルという表現を使っているため、私もここの解説ではレジャーホテルという言葉を使うことにする)

(1)レジャーホテルは確実に儲かる商売である。
(2)この儲かるレジャーホテルをファンドで取得するのだから、投資家の方には高利の配当を実現できる。
(3)GFSが発売しているレジャーホテルファンド”HOPE”は素晴らしい投資先である。

以上、これだけがこのほんの要旨である。よってレジャーホテルファンドに興味のない方は、この本を手にする意味はまったくないだろう。
さて、著者はレジャーホテルは需要はあるのに大手企業はその特殊性から手を出さないニッチ市場であることから、”個人商店”ばかりが乱立、そうした個人商店の経営者は経営という視点がないことから経営に無駄が多く、それでいて儲かるが故に経営努力もしない、お金は右から左へと使ってしまうという。この点に関しては、私の主張とも全く一致するところであり、私もその通りだと思う。
だが、著者はここからファンドの有望性を語る次へとつなげるために、かなりいい加減な論を展開し始める。
例えば、著者はレジャーホテルの魅力を語る時に、「レジャーホテルが面白いところは、近くにライバルが出現することは脅威ではなく、むしろ歓迎すべきこと」と、ライバル同士が共存できる商売であると述べている。そしてこのことは他のビジネスではあり得ないレジャーホテルの特性と主張する。これは思わず首を傾げたくなる主張である。言うまでもなく、需要と供給の関連において、需要が供給を上回っている場合にはライバルの出現は集積効果をもたらすが、供給が需要を上回っている場合には、客の奪い合いが起こり、マイナス効果をもたらす。これはレジャーホテルのみならずあらゆる商売に言えることである。余程、レジャーホテルが有望な商売であるということを言いたいがために強引な論調を展開したのであろう。こうしたおかしな内容は本書には随所に出てくる。例えば、レジャーホテルは素人でもできる商売であると言いながら、一方でレジャーホテルの経営は確かなノウハウやオペレーション次第であると述べる。そのまた一方で、レジャーホテルの業績は「リニューアル後1年半から2年目でピークを迎え、その後は年3%前後の割合で売上が落ちていく」と述べる。これはレジャーホテルはハードが物を言うと述べているに等しい。
何故、著者はこうも次から次へと矛盾した論を展開していくのか? それは何もこの著者が頭が悪いのではない。この本の目的があくまでもレジャーホテルファンド”HOPE”を売ることにある、それだけの理由である。それ故、ファンドが対象にするレジャーホテルの市場の魅力を訴えるために、大手が参入しない、素人でもできる簡単な商売、競走はないと言い、ファンドが購入する物件のその後の運営は安心であるということを訴えるために、経営ノウハウ、オペレーションが重要であり、その点、ファンドにはしっかりとした運営会社がついていると説明する。又、ファンドの特性である5年満期ということを説明する際には、レジャーホテルにはリニューアルが重要であり、5年毎にその時期が到来するから5年という理屈を持ち出す。
主張に応じて、ころころ理由付けを付保しているので、まるで主張に一貫性がないのだ。
こうしたでたらめさは”HOPE”の魅力を伝える部分でもあちこちに露呈する。これだけ借金の多い国の国債は駄目、株式投資も成功しているのはほんの一握り、外貨預金の手数料が取られる上に為替リスクが避けられない、と次から次へとバッタバッタと金融商品を切り捨てていく。それでいて、”HOPE”の話になると、利回りは8%〜12%(それも確定しているかのような言い方だ)が確保できるとまるでリスクのないかのようなバラ色の話を語り始める。 外貨預金では為替リスクがあるから駄目と言いながら、HOPEに関してはキャピタルゲインよりインカムゲインをと述べ、元本の保証性よりも利回りが重要であると述べる。投資利回りが重要だと言いながらも、HOPEでは配当利回りの高さのみを取り上げて絶賛、それどころか、配当利回りを投資利回りと置き換えて説明をし出す。ファンドの事例を出して説明するときも、無茶苦茶な前提を持ち出し、ファンドを良さを強調する。
「8億で購入したレジャーホテルが年間1億5000万円の利益をあげるとする」
「7億3000万円で取得したホテルが、もし5年後に7億円でしか売れなかったら・・・」
いずれもありえない前提であるが、それを堂々と語り、メリットを強調しデメリットをごまかす。
こうなってきたら、もうこの本はもう投資の解説本という類ではなく、”HOPE”のカタログ、宣伝パンフレットである。(巻末には何とこのファンドのQ&Aまでついている)
この「ラブホテルは今日も満室」は、この本で述べているファンドの良さをもはやほとんどこじつけ的に強調するばかりで、そこには冷静な分析もなく、もはや支離滅裂な論調ばかりが目に付く、おそろしく低次元な本である。途中あほらしくて何度、この本を投げ出したい気分に駆られたことか。 出版社はゴマブックスであり、自費出版ではなさそうであるが、このような露骨に特定の商品を推薦する本が果たして中立的、公正な情報を伝える役割を求められるはずの出版社が発行してもよいものかどうか、はなはだ疑問に思えてならない。
なお、このレジャーホテルファンドについて、ラブホエッセイのコーナーで解説したいと思うので、そちらも参考にして頂きたい。


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